機械加工の主役・旋盤加工に資格は必要？旋盤加工の資格についてご紹介！

宇宙工学や電気自動車など最先端の科学技術を底辺で支えているのが、日本の旋盤加工技術です。ミリを大きく下回る単位の精度まで求められる世界で、完璧に対応しているのです。そのような、旋盤加工の技術者になるためにはどうすればよいのか、旋盤加工を行うための資格は必要なのか、気になります。今回は旋盤加工と資格について詳細に紹介します。

1. 旋盤加工とは

旋盤加工は、旋盤を使い加工物（ワーク）をチャックと呼ばれる土台に固定し、高速で回転させ、切削工具のバイトで切削して加工を行う加工方法です。旋盤加工は、溝加工・外径加工・内径加工・テーパー削り・ネジ加工・面取りなど幅広く対応し、機械加工の主役ともいえます。また加工物を回転させて削るため、円形のものや、丸もの加工に適しています。

1-1. 旋盤工と資格

旋盤工は金属加工工場で旋盤を使い、金属を加工する高度な技術を持った職人・技術者です。旋盤工の経験を積み、技術力を高めると、マイクロメートル単位の高精度な技術を求められる仕事も引き受けられるのです。そうなると、現場で絶対的に必要な人材として認められます。

1-2. 旋盤工が物づくりを支える

優れた技術力を持った旋盤工の技術が生み出す部品類は、AIロボット・スマホ・医療機器・宇宙開発など、さまざまな分野で、正確無比な部品として利用されています。絶対にミスやトラブルが許されない機械や装置では、ネジ1個、ボルト1個まで正確でなければなりません。それを可能にしているのが優れた旋盤工の技術力です。まさに、最先端技術の担い手なのです。そのような旋盤工になるための資格について次章で紹介します。

2. 旋盤加工に資格は必要？

結論からいえば、旋盤加工に資格は不要です。旋盤工になるために必要となる資格はないのです。基本的に、旋盤工は望めば誰でも目指せます。当然、旋盤工として技術力を高めるためには、専門的な技術・専門用語・専門知識から、旋盤を使いこなす加工技術力も覚えなければなりません。

2-1. 旋盤の技術力を高める資格はある

旋盤工そのものの資格はありませんが、旋盤工のキャリアアップにつながる、有利な資格として「機械加工技能士」の資格があります。旋盤に限らず、工作機械を使い、金属類の切削加工・研削加工などに必要な技能を備えていることの証明ができる資格です。そこから、機械加工技能士の資格取得で旋盤工としての技術も優れていると認定されるのです。

2-2. 機械加工技能士

機械加工技能士は、特級・1級・2級・3級と、等級を区分しない、単一等級があります。機械加工技能検定は3級をのぞき受験資格に制限があります。基本、受験資格をクリアした方であれば、誰でも機械加工技能検定は受けられるのです。ただし、学校で学習することで、実務経験が免除されるケースもあります。また、1級の受験に必要な実務経験年数が変わる場合もあり、学校に通っている方は、事前にチェックしましょう。 機械加工技能検定の最新情報や、わからないことがあれば、各都道府県の職業能力開発協会へ問い合わせして、最新の正確な情報を取得しましょう。

基本受験資格

• 単一等級：実務経験3年以上
• 3級：受験資格の制限なし
• 2級：実務経験2年以上
• 1級：実務経験7年以上
• 特級：1級合格者かつ5年以上の実務経験者

機械加工技能士を受験する際の実技試験は、普通旋盤作業・フライス盤作業・数値制御フライス盤作業・数値制御旋盤作業など、23種類も幅広くそろっているのです。 機械加工技能検定の学科試験には、共通科目と選択科目があります。共通項目には機械工作法と材料力学の問題が出題されます。一方、選択科目には数値制御フライス盤作業や、平面研削旋盤作業のような、専門的な知識を問う問題が出題される傾向です。

3. 旋盤加工の未来は？

旋盤加工でもAI（人工知能）化、自動化が進んでいます。「旋盤工は必要ない？」という心配を抱く旋盤工や会社関係者の方もいるはずです。しかし、機械のメンテナンスや製品の仕上がりチェックなどは、確かな技術力や知識を持った旋盤工でなくては務まりません。確かな技術力を備えた旋盤工は大切です。

3-1. 実際にAI化は一部で進んでいる

工作機械メーカーが、AIを活用した旋盤の開発を本格化させています。現在のAI化は、生産現場で作業者の負荷が軽減されながら、旋盤の稼働率が向上できるような改善のために導入されています。たとえば、旋盤への切りくずが嚙みこむことを即座に検出するAI機能の開発などで、作業効率の改善に活かされているのです。

4. まとめ